空き家を民泊にしようかな・・・ やめた方が良いと思う３つの理由
先日、久留米市での解体依頼があったお客様でのことです。古くなった家を解体したいという理由での見積もり依頼でしたが、実は他にも久留米市内に空き家を持っておられるとのこと。今回の見積もりがあった空き家に関しては、建替えを理由にどうしても壊さないといけないのですが、もう一つの空き家に関しては、壊すのをためらっておられました。
よくよく聞くと、最近のニュースでよく聞く、「民泊」という言葉。空き家を民泊にして利益を得たいとのことでした。「賃貸で貸すよりは民泊の方が儲かるって聞いたけど・・・」確かに、地域と場所によってはそういう話もよく聞きます。
東京などの都心部だけの話ではなく、地方や田舎でもそのニーズは実際にあります。有名なところで言うと、「エアビーアンドビー」です。国内に限らず、今や海外からの観光で、安くて気軽に借りれるということで、全国に民泊ということが流行ってます。
しかし、個人的に今やるべきかということには疑問が持てます。その理由には３つのあります。
①許可を得ない民泊は違法行為
これは場所にもよりますが、福岡県でいうと、福岡市は今年９月21日に旅館業法施行条例改正案を可決し、12月１日から民泊解禁に向けた規制緩和を実施しました。これによって実質、民泊への解禁となりました。いろいろと条件はあるものの、公に民泊ができるようになりました。
あくまで福岡市だけであって、それ以外の市町村では、まだ条例が制定されておりません。ということは、宿泊費を取って民泊をさせてしまう行為は違法行為にあたります。
つまり空き家があるから、そこに泊まらせて宿泊費をもらうということはまず、やってはいけないことになります。しかし、旅館業の許可を得ていれば別ですが・・・
②空き家をリフォームする必要がある
「空き家だから、宿泊させるだけでいいんじゃないの？」もちろんのことですが、あくまで人が宿泊するということは、それなりの設備やきれいな状態でないと、泊まってくれません。リフォーム費用もかかるようであれば、宿泊費用から、どれくらいの宿泊が見込まれ、改装しても採算が合うように事業計画を練らないといけません。
「エアビーアンドビー」に関して言うと、そこに宿泊された方の評価で、今後の宿泊されるかどうかが左右されます。本気で、民泊を事業として考えないと、安易に儲かるからということで、行ってしまうと大変なことになるかもしれません。
③近隣住民に理解が得られるのか？
「別に住むわけじゃないからいいんじゃないの？」と思われている方もおられると思いますが、そこに宿泊される方が、日本人だけとは限りません。海外からの方が宿泊されれば、そこに出入りされる方が外人ばかりであれば、近隣住民からいろんな声が上がってくる可能性も考えないといけません。
もし、自分の家の横の空き家に最近、外人さんがよく出入りしている・・・と想像するだけで、考え物です。ましてや福岡県では福岡市以外の地域であれば、今現在では違法行為にあたります。必ず、近隣住民からの通報により、ばれること間違いなしです。個人的に民泊が悪いということではありません。
今後は必ず増えるであろう海外からのお客様をターゲットにするということは新しいビジネスチャンスです。ただ、今現在では違法行為という一番大きなハードルがあります。それをクリアして、なおかつ先ほど申し上げた理由をクリアできれば、やってみる価値はあると思います。
儲かるから安易に飛びつくというのは、おススメしません。一度、立ち止まって様子をみるというのもいいかもしれませんね。
